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取材記事

「知育ism」

あそびからの学びは一生 〈名古屋市立 猪高幼稚園〉

名古屋市名東区にある名古屋市立猪高幼稚園。園内外には豊かな自然があふれ、すぐ隣には小・中学校もあり、平常時には交流もしています。そんなさまざまな出会いのある中、園児たちがどう過ごしているのかを取材してきました。

「大好き」に出会うこと

子どもが生きていく中で〈自分でよく考え、心で感じ、判断して行動する力〉をつけてほしいと願っています。そして、その力を園の生活を通して育てたいです。その元となるのが「大好き」に出会うこと。大好きなことに出会うと心も頭も動きます。先生、友だち…様々な大好きに出会い、自分で感じ、考える経験を重ねてほしいです。友だちとの生活で楽しい、面白い、悔しい、どうしてだろう…と様々に心を動かすことが大切です。それを重ねていくうちに周りの人にも気持ちがあることに気付き、相手はどう思っているのか、一緒に何かをするにはどうしたらいいのかを学んでいきます。

環境すべてが教科書

年長児になると子どもは自然と文字や数に関心を持つようになります。あそびの中で文字や数に触れ、より興味や関心が持てるように、「お店屋さんごっこ」なら看板やお金作り、年賀状の時期なら「お手紙ごっこ」が楽しめるようにはがきの形の紙や鉛筆、ポストなどをあそびの場に準備します。学校には教科書があるように、幼稚園では環境すべてが教科書。素敵な環境を教科書のように届けるためには先生たちの存在も大きいです。見守ったり、一緒に考えたり、学年に合わせた援助をしたりして、あそびからの学びが一生に息づいていくのを支えています。

 

自然から学ぶこと

園の隣にある雑木林からはタヌキが姿を見せることもあります。そういうときには、「可愛いけど自然に生きているから触ってはダメだよ。車にひかれないといいね。」と、子どもたちに伝え、会話から自然の生き物との関わり方を学びます。園庭で出会う虫を集める子もいますが、放ったままでいるときは「虫にもお父さんやお母さんがいて、この虫も大切。」と伝えています。命の大切さについて教える前に、‘お父さん、お母さん’という自分と重ね合わせられるような言葉をかけ、命の大切さを伝えることもあります。虫を飼いたい、と年少児に、年長児がこれまでの知識や知恵を教える姿もあり、大切に見守るようにしています。また、園には実のなる木も多く、収穫することも楽しみます。毎年柿もぎをしますが、木に登ったり台を持ってきたりと、取り方はひとりひとり違います。自分で取るコツを考えたり、友だちと協力したり、よく考え、判断して柿もぎも楽しみます。(*現在はコロナ禍の為、行われていないこともあります。)

 

ひとりひとりの持ち味を大切に

思ったことをすぐ行動に移す子、じっくりと考えている子…。先生はその様子を見て「それ大事だね。」「素敵だね。」と声掛けをしています。それは生活発表会でも。猪高幼稚園では先生が大まかなあらすじを考えますが、台本は子どもたちと一緒に考えます。先生はその考えを聞き逃さないようにし、実現できるように背中を押します。自分たちの考えたことが形になることは、その子の自信となり、自己肯定感へ繋がっていきます。友達の良いところを分かりあい、ひとりひとりの持ち味が発揮できる集団になるよう、「あなたがいないと困る発表会」「みんながいるからできる発表会」と伝えています。

 

 

三川園長は「子育てを楽しんでほしいです。その一方、自分ひとりで無理をし過ぎないでください。辛いときは横になって。そして、いろんな人の力を借りてください。そのひとつとして幼稚園を頼ってください。未就園児や小学生の保護者でも気軽に話をしに来てくださいね。」と話されていました。

 

 

園を支えてくれる保護者の気持ちを大事に受け取って子どもに届けたい、と話されていた三川園長。「あなたがいないと困る。」と思う気持ちは子育て中の保護者にとっても大きな支えとなる言葉だと感じました。