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取材記事

「知育ism」

【○○ism】子どもに必要な「ミカタ」とは

 「ism」とは「主張」のこと。その人が生きてきた中で感じた人生観や学びを編集長 相田が対談形式でお伺いするコーナー。様々な分野で活躍される方だからこそ多様な考え方を聞くことができます。今回も前回の伊藤友美さんからのご紹介でつながることができました。

 

 

今号のテーマでもある「ミカタ」について、様々な視点から鈴木昭子さんにお話をお伺いしました。

 

幼児期に必要な「ミカタ」とは

「やりたくない」「買って」「やって」など子どもの要求をきいてあげるのは、低年齢にとっては子どもの味方になるけれど、ある程度大きくなるとそれは子どもにとってよい味方とばかりは言えません。幼児教育の中ではよく「その子が大人になって人と関わり、社会で生きていく力の根っこを育てよう」と言われています。それに照らし合わせた本当の「ミカタ」をしていくことが大事なのではないでしょうか。なんでも子どもの要求を叶えることは、子どもにとってありがたいですよね。でも、時には「お母さんは見てるからね。自分でやってごらん。」と、あえて子どもの壁になって立ちはだかることも、将来のことを考えると大切な味方だと思います。

 

子ども同士のトラブルの「ミカタ」

トラブルの元になる何かが起きてから、トラブルとして目に映るようになるまでのプロセスがあります。1歳の場合は、遊んでいたおもちゃを取られた→泣く・取り返しに行く・叩きにいくなど、トラブルの元の出来事とトラブルが瞬時に行われます。しかし、4,5歳児になるとそのプロセスが長くなります。よくあるのは、仲良し3人組で積み木のお家で遊んでいるところにA君が「いれて」とやってくる。3人にとってA君は壊すし邪魔するしいれたくない。でも、仲間にいれないというのはまずいかなと考える。この家は狭いし、積み木が足りないし、昨日から3名で遊ぼうって約束してたし、様々な理由をつけて断ろうとします。それでも「いれて」と言ってくる子。子どもたちはお互いに交渉して、折り合いをつけて、到達点をみつけていく。これは大人になっても必要な力になります。親も先生たちも、一生懸命考えているところを認めてあげたいですね。

 

親の「ミカタ」に必要な2つの柱

お母さんたちは、自分の子どもが大好きなんだけど、会社員だった時の素敵な自由時間はどこへと思ってしまう。疲弊すると子どもにも影響していきます。まずは子どもと一緒でお母さんたちの大変さを分かってあげる。認めてあげて「よく頑張ってるよね。」と褒めてあげる。まずはそうしないと、心を開いてくれません。親なんだから当たり前とか、しばらくの間だから我慢とかでは心を閉じてしまいます。<心のケア>があると、また明日から頑張ろうと思えますよね。

でも、この心のケアをやっただけではお母さんたちは間に合わないんです。そこで必要なことは<具体的なケア>。それは子育て支援の制度。子どもを預かってもらえるとか、リフレッシュできる何かがあるよとか、子育てサークルの情報など、具体的な制度の情報を知って、利用することでホッとしたり、子どもから手を離れて自分時間が取れたりと、<心のケア>と<具体的なケア>2本柱が必要だと思います。

 

 

「しあわせのクッキー」「ハッピーなジュース」

このようにお店屋さんごっこの売り物に名付けた子がいました。素敵なネーミングで今でも覚えています。その子は穏やかな性格でマイペース。急ぐとか競うとかの概念がまるでなかった。その子のお母さんはいつも優しい目でその子を見守っていました。このままのあなたでいいんだよと、我が子をありのまま見て受け止めてあげるお母さんだと思いました。そうなると「自分はこのままの自分でいいんだ」という自己肯定感の基になると思います。こういう親子がもっと増えて欲しいなと思っています。

ーお仕事をしながら週末はお孫さんとの時間を過ごす鈴木さん。本当に子どもが大好きなんだと優しい笑顔が印象的な方でした。

 

鈴木昭子(すずきあきこ)
名古屋市立幼稚園に勤務し、園長で定年を迎える。退職後は名古屋市立幼稚園の新規採用教員の指導員として、保育の楽しさや子どもの面白さを感じてもらえるよう応援している。人権擁護委員や幼児教育アドバイザーも努めている。

※本文中においての敬称は、「さん」で統一させていただきます。