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取材記事

「知育ism」

“普通”じゃないって、ひょっとしたらすごい宝物をたくさん持っていることなんじゃないかな!

ー現在、名古屋市教育委員会が運営する<幼児の育ち応援ルームたんぽぽ>にて、ことばの指導推進員をされている伊藤友美さんに、今号のテーマ、子育ての「ふつう」って?についてや、ご自身のお仕事についてお伺いしました。

 

困っているお母さんには
「ふつう」は安易に使わないほうがいい

「普通」とは、ある程度の基準があって、その中に収まっている「安心感」から「普通」という言葉を人はよく使うのかなと思います。その基準も、人それぞれで主観的。そしてあやふやです。他人が「それが普通だよ。」と言っても、その人が思い描く「普通」の基準はわからないもの。「普通」の範囲(基準)が人それぞれ違うことを考えたら、安易に「ふつう」を使わない方がいいように思います。特に、育児に困っていたり、悩んでいたりするお母さんたちに掛ける言葉としてはあまり適切な言葉ではないかもしれません。

子育てを頑張っているお母さんたちって、すごく多いです。例えば、ネットで子育て情報を集めますよね。昔だったら知らなくて済んだことが、今はなんでも検索できてしまう。それが余計に自分の基準を主観で作ってしまって、これは普通、これは普通じゃないと決めている感じがします。少しでも何か気になることや引っ掛かるものがあれば、先生や人生の先輩、ママ友とおしゃべりをしてもらうのが一番いいと思っています。

 

言葉は、思考するためのツール
だから「相談力」を身につけて欲しい

言葉は、一般的には伝えるためのツールと考えられていますが、実は思考するためのツールでもあります。お話をしていく中で、考えを整理をしたり、思っていることをまとめたり、発見したりと、思考に深く関係しています。私の仕事も、お母さんたちが来て私に話すことで、すぐに答えが出るものではないけれど、たくさん話す中で、お母さん自身が自分の気持ちに気づいていくことが多いです。そうなると、自分の中で道標みたいなものができていくので、お母さんたちには、何かあったら、周りの人とぜひおしゃべりをして欲しいと思います。その時は、何か決めてもらおう、答えを見つけようと思わずに、一度自分の気持ちや状況を整理するつもりでお話(相談)をしてみてください。相談することは、決して困った感を暴露するのとは違いますからね。相談力を身につけて背負っているものをおろす作業をぜひして欲しいなと思います。

 

答えを求めないおしゃべりを…

ついつい園での様子を聞きたくて子どもにたくさん質問して答えを求めてしまうことがありますよね。そうすると子どもは、お母さんが求めている答えを出そうとします。お母さんも今日あったことを話しながら、答えのないおしゃべりを楽しんで欲しいな。子どもたちの周りにシャボン玉みたいに言葉やお話がいっぱい漂っている生活ができたらいいですね。

普通じゃないをどうやって磨けばいいか

今回、テーマをいただいて、「普通」の意味を調べて、「なるほど!」と、とても勉強になりました(笑)私も漠然と使っていた「普通」という言葉。でも<ありふれたもの><優れた点や変わった点がない>って個性もないし、つまらないですよね。だから、普通じゃない部分を持っているって、ひょっとしたらすごい宝物を持っていることじゃないかなと思うんです。その普通じゃない”宝物”を見つけたら、どうやって磨いたらキラキラ光るかな〜と手をかけてあげたらいいなと思います。

−多様性が認められる今、子育ての「普通じゃない」も見方を変えたら、とても素敵なことなんだと伊藤さんから教わりました。

 

伊藤友美 (いとうともみ)
私立幼稚園教諭を経て、長年名古屋市立幼稚園に勤務し園長で定年を迎える。幼稚園在職中は日本学校教育相談学会員。田中教育研究所認定幼児心理カウンセラーの資格を習得し、様々な研究会に参加。現在は名古屋市教育委員会幼児の育ち応援ルームのことばの指導推進員。
※幼児の育ち応援ルームはことばの個別指導を行っている機関です。詳しくは各園にお問い合わせください。