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取材記事

「知育ism」

ひとつに絞らず、人生をより楽しむ〈松久保美羽さん〉

高校生でカフェを経営する松久保美羽さん。彼女はどうしてカフェを開くことにしたのか。多くの人と繋がりながらさらなる発展を考えている美羽さんにカフェ経営までの経緯や将来の夢などを伺ってきました。

 

 

「行けなかったこと」をきっかけに

中学3年の頃、辛いことが重なったのもあり、夏休み明けから不登校となりました。ですが、元来、人と繋がっていくのが好きな私。そのときにネットの世界を通して知り合った友人たちに悩みを聞いてもらい、大きな支えを得ました。その経験から、「ネットもいいけど、実社会でも安心できる場所があったら私のように行き場をなくした子どもたちの救いになるかもしれない。」
…その思いから〈誰もが安心して集える場所づくり計画〉を始まりました。

ちょうどその頃、カフェ通いしていたこともあり、カフェなら入りやすいと考えました。どんなときにも、ひとりでも入りやすいお店になるように、といろいろ思案。ただ、いきなり始めることは難しいので、カフェの場所を貸している方や支援活動をしている方の話を聞いたり、ボランティアにも参加しました。そこで場所提供してくださる方と出会い、高校1年の7月頃より稲沢駅に程近い場所でオープンすることとなりました。当初は私と同じような経験をした友人の2人でしたが、現在は20名ほどのスタッフが登録。スタッフの殆どは居場所を求めてカフェにやってきたお客様。お客様からスタッフへと形は変わりましたが、居心地の良さがそうなったのなら嬉しい限りです。

写真はイメージです

 

飛びぬけた力が集まっている場

週末にカフェを開いていますが、平日は高校生。自由な校風に惹かれて高校はN高に決めました。不登校だった子が多く通っている高校ですが、非凡な存在が多いのも特徴です。パソコンが詳しかったり、プログラミングが得意だったり、絵が上手だったり…。私自身、不登校の子に対して暗い印象を勝手に思っていたのですが、実際に出会い、みんなの明るさや飛びぬけた力の凄さにそのイメージは崩れました(笑)。カフェを運営する際でもいろんな人の才能に助けてもらっています。得意なところを担当してもらい、みんなが支え合う。できないことが悪いことではなく、補い合いながら適材適所で回っていければいいのだと。学校という場が苦手だった私は、ここでの数多くの出会いから今は充実できる場所に変わりました。

 

コロナでも居場所を模索

月に一回のペースで開き始めたカフェを月4回へ広げていこうと考えていたところ、コロナの影響で運営自体が難しくなり、今年の初め頃からは運営がストップしている状況となってしまいました。一日も早く再開したいところですが、カフェは難しい今は、別の形で安心して集える場所づくりも思案中。名古屋市やその近郊だけでなく、関東のメンバーもいるのですが、彼らが関東地区でも同様なカフェを開いて子どもたちの居場所づくりをしたいと計画しており、その支援も行っています。カフェがオープンしたらすぐにでも駆けつけたいです。

 

子どもに居場所を

将来的には常設店舗とし、昼はカフェで多くの方に向けて運営。夜は子ども食堂として、昼に得た利益で子どもたちへ無料でごはんの提供する。それを持続的な活動としていくのを叶えたいです。その思いにあるのは、子どもは親の枠の中で生きているから。いざというとき大人は逃げることもできますが、子どもはそういうわけにはいかないので。どの年齢の人にも気軽に通ってもらえるお店にしたいですがメインは19歳以下の子どもが安心できる場所になるように。ゆくゆくは全国に誰もが安心して集え、いつでも駆け込めるカフェを広めることが夢です。

休んでいいんだよ。

以前の自分のように不登校となった子に対しては「思いっきり休んで。それと、気持ちを吐き出せる場所(ネットなど)をつくってください。学校以外の場所に友達がいると安心感も得られます。ひとりで抱え込まないように。」と話していました。保護者に対しても「学校に行くことだけを言わず、根気強くその子に寄り添ってあげてください。ときには一緒にゲームとかして楽しみながら。そうしていくうちに閉ざされた心が開いていくと思います。無理矢理行かせず、時間はかかっても見守ってあげてください。」とも話していました。

 

成功した原因を知る大切さ

今はいろんな人と繋がり、カフェ経営もしている美羽さん。そんな中、感情的になったことはあるのかを聞いてみたところ、「怒ったところでとくに変わらない。なにか失敗しても怒ったところで巻き戻らないから、次どうしようかと考えることが大切。むしろ失敗しないと成功しないし、失敗せずに成功したらなにが成功した原因かわからないから。だから失敗はないんじゃないかな。」と話されていました。自身の不登校という経験から〈子どもたちの居場所〉を考え、今のカフェ経営に繋げているのも体験を大切にして生きているからかもしれないです。

 

*2020年冬号に掲載していた内容を一部加筆修正して載せております。

 

気づけば取材させていただいた日から半年以上が経ちました。お話を聞く間中、ずっとキラキラとした笑顔とその柔らかな雰囲気と相反する力強さを秘めていた美羽さん。今のご活躍ぶりもお伺いしたい。会って話をするとパワーをもらえるような彼女にまた会いたくなりました。