『ミツバチ』を支える高校生活動家〈金田ゆうなさん〉

名古屋市立名東高校3年・国際英語科に通う金田ゆうなさん。
ミツバチに関心の高かった彼女は2020年7月~10月の週末、ボランティア活動として緑区にあるカフェでオリジナルレシピのハチミツスイーツを提供していました。
彼女はどうしてミツバチに対して関心を持ったのか。そのいきさつから、現在行われている様々な活動について話を伺いました。

 

ミツバチを守り、人の生活を守る

中学3年生のとき、船橋康貴さん(養蜂家・環境活動家)の話を聞く機会があり、「この世界からミツバチがいなくなると4年以内に地球は滅びる」の言葉に驚きを受けました。今、世界的にミツバチが減っているそうです。世界の食料の7割はハチの受粉を媒介としているからこそ、ミツバチの減少は私たち人間にとってとても大切な存在だと知りました。

その原因として殺虫剤や除草剤として撒かれるネオニコチノイドという農薬の散布。それをミツバチが浴びてしまうことが多いため、生態系が脅かされているとのこと。ヨーロッパでは規制されている国が多いのですが、日本ではつい最近規制がかかったばかり。以前はむしろ緩和してミツバチを傷つけていました。

そんな話を知り、これからの社会に対して不安を覚えるとともに、自分でもミツバチを守る活動をしたいと思ったのがきっかけです。

 


写真はイメージです

 

いろいろな形で伝えていく

そのとき一緒に話を聞いていた友人(活動名kinokobito)と現在はミツバチを知ってもらう活動をしています。

名古屋を拠点として親子で一緒に遊ぶ自然活動をしている『地球ハグ倶楽部』にて講座やワークショップで講師としてミツバチの大切さを伝えています。

そして今年の夏は母親と縁のあるカフェを通して友人と一緒に考案したハニースイ-ツを提供。期間限定(7月-10月)ですが、ボランティア(無給)として活動。ハチミツという身近な食品から多くの人にミツバチを知ってもらえる場となれて良かったです。カフェではハニースイ-ツの提供以外にも様々な経験をさせてもらい、社会を知る一歩にも感じています。今後は友人が絵を、私は文を担当したミツバチ絵本を刊行予定も。絵本が図書館にも置かれ、多くの子どもたちに読んでもらうことで、これからの時代を担う子どもたちが自然環境への関心を持ってくれたら嬉しいです。

 

学校での「ミツバチ活動」

学校生活の中でも学業とともにミツバチを知ってもらう活動を行っています。校内スピーチではミツバチについての英語スピーチで優勝することができました。また、今年の文化祭はクラスでミツバチについて知ってもらうための出し物を企画。養蜂家の協力を得たり、ミツバチがいる世界・いない世界で作ったカレーの違い等、多くの生徒に楽しみながらミツバチを知ってもらうことができました。様々な形を通して伝えているのはミツバチを守りたいのとともに、ミツバチを通して自然環境に目を向けてほしいからです。

 

 

働く経験から夢を広げて

そんな私の将来の夢ですが、カフェでの経験で広がりました。以前は教育関係の仕事をしたいと思っていたのですが販売の仕事にも興味を持ち始めました。来年は環境先進国でもあるフランスへ交換留学として行く予定。そこでの刺激が自分の未来に繋がりそうで今から楽しみです。

大好きなミツバチに対しての夢は、いつか日本でもヨーロッパのように公園のオープンな場所で飼われていて、人々に愛される存在になっていることを願っています。

 

『ミツバチ愛』に溢れているゆうなさん。小さな生き物の命から育まれる大きな力を熱く語ってくれました。身近な自然に対して優しい気持ちをもつことが、子どもたちの将来住む環境を豊かにする一歩になること、その心を育てていく大切さを学ばせていただきました。

 

*2020年冬号に掲載していた内容を一部加筆修正して載せております。

 

蜂、というだけでなんとなく怖いイメージをもっていた「ミツバチ」でしたが、ゆうなさんの取材で、とても親しみのある存在へと見方を変えることができました。これから先の未来も人間の良き隣人として草花で居心地よく過ごしてもらいたいな、と感じたのを思い出しました。現在高校三年生となったゆうなさん。お忙しい時期とは思いますが、これからどんなミツバチ活動を計画されているのか、また聞かせてもらえる日が楽しみです。

 

金田ゆうなさんが所属している地球ハグ倶楽部ではミツバチ講座のほか、自然を楽しむ様々な活動をしています。詳しくは公式サイトをご覧ください。

地球ハグ倶楽部 https://chikyu-hug.club

 

 

-取材記事