高校生から防災活動をはじめ、現在は立命館大学で防災活動サークルの代表としても活動中の宮田汐梨さん。これまでの出会いや経験から、ひとりひとりの防災意識を変える活動をしています。
「実情を見てみたい」気持ちから支援の現場に
東日本大震災から4年経った高校1年の夏に東北の現状を知るツアーがあることを知りました。テレビなどの報道からではなく、実際に現地での体験学習をすることで、知らなかった世界を知り、見た上で、自分には何ができるのかを考えたい思いで参加を決めました。
参加した〈東北スタディツアー〉は高校生を対象として、東北の被災状況を現地で直接学び、知識を持ち帰った後は募金活動や被災地の品物を販売して支援活動を行うものでした。ツアー自体は学校の先生やNPO団体が開催していましたが、実際に現地に向かうための協賛金集めなど運営しているのは高校生。一参加者のつもりで申し込みをしたのですが、手違いで運営側として行くことに(笑)
運営側として、様々な企業に電話をかけ、自分で作成した資料を送りながら協賛金を募りました。断られることも多かったのですが、社長に電話を取り次いでもらえたり、その場で賛同してくださる企業もありました。『見ず知らずの学生の言葉に、これほどまでに無条件で応援してくれる人がいる。この思いを自分も誰かに繋げていかなくては』という気持ちに駆り立てられました。また、当時は福島へ行くことに心配していた両親ですが、私の活動を止めることなく見守ってくれて、協賛金での支援もしてくれました。
次年度は運営側のリーダーとしてツアーを支援しましたが、規模は小さくとも、より内容を濃くして東北と関わりたい思いからこの場は後輩に任せ、一年間に何回も行うプチツアーを自ら立ち上げました。妹や友人もこのツアーに参加したことで、視野が広がったという声や個人的に支援活動をするようになった人もいます。
体験から感じた防災意識
大学に進学した2018年。震度6弱にもなった大阪府北部地震がありましたが、震源地近くに住んでいた私は一週間ガスが止まる経験をしました。ライフラインが寸断されたにも関わらず、食の安全性が確保しづらい理由から炊き出しは行われず。その出来事は私の防災意識を高めたとともに、炊き出しのハードルを下げていきたい思いとなり、防災サークルで防災公園での炊き出し訓練をコロナ禍前に2回行いました。実際に経験しないと分からないこともありました。この経験を通して、実施することの大切さを知るとともに、より良い防災となるように改善案を市役所へ送りました。
ライフラインを支えたい
東北スタディツアーで得た支援から社会に貢献したい思いと、大阪の地震で被災したことで当事者の不便さと不安を経験したことから、将来は地域のライフラインを支える仕事に携わりたいと思いました。普段から現場に行き、地域の人と顔を合わせて親しんでもらえるように。そして、いざというときは直ぐに支えとなれる『身近な存在』となりたいです。
汐梨‘s 防災ポイント!
①就寝時の服装
いざという時にそのまま外に出られる格好か考えてみてください。
一旦被災のために外へ出ると、そのまま避難に…となることも多いです。
②避難バッグの中身を確認しよう!
(食事編)
・アルファ化米など、非常用のものを普段から食べてみよう。…食べ比べをしておくことで、家族の味覚に合うものを用意。いざという時の食事を美味しく。
・お菓子、入ってますか?…飴など甘いものがあることでストレス軽減にも。
(モノ編)
・季節にあった服が着れるように、年2回は衣替えを。
・マスク・除菌グッズはコロナ禍でなくても使えるので用意。
・ビニール袋はお皿カバーに、止血に、小物入れに…と、色々使えます。
・ペットを飼われている方。ペットシーツはトイレ代わりや怪我した際、傷口を覆うのに使えます。
③最近の避難スタイルから…
3日分の水と食料を家族分、準備しておこう!
最近は在宅避難という選択も増えています。避難所だと炊き出しがありますが、在宅避難だともらえないことも。避難所での炊き出しがないという前提で準備しておきましょう。
特別なものでなくても、日常のものを上手に使いまわすことができます。
普段から小さな防災意識で、大変なときを少しでも明るく過ごせるように考えてみませんか。
防災共育サークル Attelle代表 宮田汐梨さん
(立命館大学 政策科学部 4年)
宮田汐梨さんが代表を務めている、防災共育サークルAttelleについてもっと知りたい方はFacebookページまで。
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