本を読むことで得られる楽しみや心の広がり、さらに学びへと繋げていけるよう活動をしている笹沼颯太さん。彼は現役東大生でありながら『子どもが読書好きになるオンライン習い事・ヨンデミーオンライン』を運営している株式会社Yondemyの代表取締役でもあります。その笹沼さんに本の魅力や読書の大切さについて伺いました。
Q. 本の魅力、読書の楽しさは何だと思われますか?
A. 自分が経験したことがない物事や気持ちを体験できたり、いろんな人の価値観や時代背景も読書を通して知ったりすることができる。それこそが魅力や楽しみであり、「読書で世界が広がる」ということなのではないでしょうか。
Q. 読書を通して身につけることができる「学ぶ力」とは?
A. 本を読むことで、「主体的に情報を吸収する力」を身につけることができます。動画なら受動的に様々な情報が受け取れますが、読書の場合は文字を読み、意味を理解し、シーンを想像する必要があります。主体的に学ぶ力は、大人になっても通用する大切な力ではないでしょうか。
Q. 親が本を読む習慣がないのですが、そのような場合、子どもに興味を持たせるにはどうしたらよいですか?
A. 日常的に本を読む習慣がなくても構いません。ただ、身近な人が本を楽しんでいる様子を見ることは影響力が非常に大きいのは確かです。だからこそ10分でも絵本でも良いので、保護者の方が楽しげに本を読んでいる“素振り”を見せることは子どもに対して非常に有効なアプローチとなります。
Q. これまでの人生で為になった本、心に残った本があったらお聞かせください。
A. 幼い頃に大好きだった『ミロとまほうのいし』という絵本が心に残っています。この作品には、実は二つの結末があるんです。この絵本には、選択により二つの全く違う結果に繋がっていくことを、二通りの結末を通じて教えてくれます。これは私たちの毎日にも通じるもの。今もYondemyの代表として、日々一つ一つの選択を大切にし、その先にある結果をイメージしながら行動しています。
Q. Yondemyの活動を通じて伝えていきたいことは?
A. SDGsでも取り上げられているように、教育格差は大きな社会問題となっています。その原因は経済格差や地域格差に起因するものなど様々です。Yondemyの運営する「ヨンデミーオンライン」は、これらの格差にもアプローチしています。経済格差へは、AIによる指導の自動化で「習い事」として低価格を実現しています。また、地域格差には、オンライン習い事であることで地方の子どもたちにも質の高い教育を届けています。しかし、なかなか注目されていませんが実はもう一つ、大きな格差があります。それは、「文化格差」です。保護者の読書量に比例してお子さんの読書量も決まってくることが統計的なデータから示されています。これは「読書を楽しむ文化」が、親から子へと引き継がれているということであり、生まれながらにして本と親しむ機会が限られてしまうお子さんがいるということでもあります。
Yondemyは日本中の子どもたちに豊かな読書体験を届けることで文化格差を是正し、全ての子どもたちが本という文化資本から学びを得ることができるようにします。文化格差は経済格差や地域格差に比べて注目されにくいですが、お子さんの人生に与える影響は同じくらい大きなものです。この課題に取り組む価値を、今後も伝え続けたいと思います。
改めて本から多くの学びや影響を知るきっかけとなりました。これからの社会を担う子どもたちがたくさんの創造力をもった人間へと育っていけるよう、大人の私たちも先ずは一冊手に取って、読書の時間を気軽に楽しんでいきたいものですね。
ほかにも読書についてたくさんのことを笹沼さんに質問させていただきました。Webでは誌面に載せきれないものや特別に寄稿いただいたお話をお伝えしていきます。質問の続きについては〈Vol.2〉をお楽しみください。
Yondemyとは
子どもが読書好きになるオンライン習い事。
お子さん専属のAI司書が、一人ひとりの好み・読む力を分析し、ヨンデミーのもつ膨大な書籍データの中から本をおすすめしてくれます。
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