表現者のミカタ〈音楽家を支える建築士〉

「暮らしや住まいを支えることで地域に貢献し、地元で活動するアーティストを応援したい。」

そう話す円銘建設の加藤さん。以前より参加している〈あつた宮宿会〉では毎月一日に行われる、あつた朔日市でのボランティア活動。そのほか様々な活動を通じて地元熱田への地域貢献活動をしています。

芸術文化支援活動では映画監督の日比遊一さんのほか、音楽活動している塚本奈加さんを応援しているとのこと。塚本さんについて、朔日市でボランティア活動をされているところへ伺いました。

 

 

塚本奈加さん【ジャズサックス奏者/ボーカリスト/作曲家】

多彩な顔をもつ塚本さんは、父親がサックス奏者、母親も琴奏者という家庭。幼少期より音楽が身近な環境だったこともあり、双子の姉たちとともに子どもの頃から様々な楽器に触れてきたとのこと。その中で一番相性の良かったサックスと出会ったのは小学5年生の頃だそうです。「ほかにも色々と習ってきましたが苦手な楽器は直ぐにやめてしまいました(笑)」。

 

 

 

 

その後、既にロスで音楽留学をしていた双子の姉たちがNYの音楽大学に進む時期に合わせ、中学3年の2学期より中学の卒業を待たずに単身NYへ。現地の高校に通いながら塚本さんも音楽留学を果たします。「姉たちもいましたので親は心配なかったと思います。英語は殆ど出来なかったのですが、不安よりも『世界を知りたい!自分の目で見てみたい!』という気持ちが大きかったです。若さもあったからかもしれませんが。今なら会話の通じない国に1人行くのはドキドキしますね。」

 

 

 

平日は現地の高校、土曜日は音楽大学が開いているスクールへ。その後も音楽大学へと進み、約8年間NYで音楽に溢れる毎日に。大学3年からは以前より興味のあった歌も学び、ゴスペルクワイアに入り、現地の教会でも歌っていました。音楽大学を卒業する頃、父親の介護の為に帰国。実家のある伊勢で介護をしながら音楽活動をしていましたが、6年前より名古屋に。現在は個人レッスン(サックス・ボイストレーニング)とライブハウスやホテル等で演奏活動をしています。「私自身、介護や大変なときに音楽に関わることが癒しとなりました。音楽には気分をチェンジさせてくれる大きな力があります。コロナ禍になり、演奏の場が減っていましたが、少しずつ落ち着きをみせている今、多くの人に音楽を通じて幸せになれる時間を届けていきたいです。」

 

 

 

そんな塚本さんと加藤さんの出会いは昨年、金山で開催されたミュージックフェスティバル。塚本さんの歌声に惹かれたそうです。「自分がやりたかったけど出来なかったことをしている人。そういう活動をしている人たちを応援することで過去に諦めた夢を投影させています。」と話す加藤さん。

 

 

 

建物を通じての表現者として人の暮らしを豊かにしていく加藤さんは、芸術で人の心を豊かにする表現者の活動を笑顔で支えていました。

 

-取材記事