伊藤イズムとは「保護者の方の“笑顔”は、子どもにとっての“笑顔”につながる。」

「ism」とは「主張」のこと。その人が生きてきた中で感じた人生観や学びを編集長 相田が対談形式でお伺いするコーナー。様々な分野で活躍される方だからこそ多様な考え方を聞くことができます。

 

伊藤イズムとは
「保護者の方の“笑顔”は、子どもにとっての“笑顔”につながる。」

名古屋市立幼稚園勤務40年を終え、現在は桜花学園大学保育学部の教授をされている伊藤さん。そんな伊藤さんに、幼児教育の現場経験からお話を伺いました。

保護者も一緒に園生活を楽しんで欲しい!

子どもはかわいい!おもしろい!一人一人違っていい!子どもの力はすごいのだと感じました。そんな子どもたちを育てている保護者の方に心から拍手を送っていました。《24時間の子育て》という仕事は、本当に素晴らしい!

「いつも頑張っているから、寝る時に自分で自分を褒めてあげてね。」と伝えていました。

そんな子育ての合間に見る保護者の大好きな姿があります。それは、保護者の方が役員会やサークル、おしゃべり会などで活動する姿、送迎時に保護者同士つながる姿です。保護者も子どもたちと一緒に園生活を楽しんで欲しい。仲間を作り、得意なことを発揮すると、生き生きします。すると周りも生き生きします。そんな姿を見られることが私は幸せでした。

 

「没頭する」「熱中する」ことの大切さ

幼児期にいろんな体験をして欲しい!自分がやりたいと思ったことをたくさん体験することは、子どもたちにとって大切な機会です。自分がいいなと思うことや考えたことを実現して没頭していくことが幼児期は大事。熱中したり、没頭したりする中で、気付きや新たな考えがたくさん出てきます。それが意欲も同時に育てていきます。教育者としても、子どもたちに熱中してもらうために教材や場所、環境など整えることを意識しています。ご家庭だと、やりたいことをやらせてあげられない状況もあると思います。でも保護者の方には、忙しい中でも一緒になって面白がったり、楽しんでもらえるといいなと思います。子どものやっていることに目を向けて、何を思っているのかな?何を考えてるのかな?と感じて欲しいですね。

 

子どものあらゆる感情を出させる

良くも悪くも、泣いたり怒ったり悔しがったり、いろんな感情を体験させることや自分を出させることが必要だと思います。もちろん、そこでトラブルも起こったりしますが、これも成長のいいチャンスとして捉え、次のステップにつながるよう長い目で見守れるといいですよね。

そんな時、子どもの心は、様々な感情で「揺らぎ」ます。その揺らぎを存分に感じさせること。それを周りの大人が勝手に解決するのではなく、手放しでもなく、子どもがあたかも自分で決めたかのように少し仕組んでいくことは大事かもしれないですね。お父さんやお母さん、先生たちに言われたからやるのではなく、自分で考えてここまでできた!と子どもが思えるような援助の仕方ができるといいですね。それを認められた子どもたちは自分を発揮していきます。子どもの可能性を広げていきたいですね。

 

子育てだけじゃなく、やれることを見つける

サークルだったりお母さん同士の仲間でお喋りだったり、お母さんもホッとして欲しい。その中で「自分だけじゃなく、他のお母さんも同じこと思ってたんだ。」と思えたら気がラクになりますよね。一人で抱え込まないで。多くの出会いの中で、毎日子育てという大事な仕事に頑張っている保護者の方は素晴らしいといつも感じていました。そして、保護者の方の「笑顔」は、子どもにとっての「笑顔」につながります。誰もが「笑顔」になれるよう、応援したいと思っています。

子育てを頑張る保護者の姿を見て、元気をもらっていたと話す伊藤さん。先生という存在は、保護者の一番の理解者であり、エールを送ってくれる存在なのだと強く感じました。今後は、幼児教育に進む学生たちに子どもの良さをたくさん広げたいと次なる役割に向けて嬉しそうにお話しされていました。

-取材記事