日東保育園は68年もの歴史があり、古くから地元の人たちに愛されている場所。日進市・龍谷寺の広大な敷地内にあり、子どもたちは豊かな自然の中で日々元気に過ごしています。
子どもの心と健康に寄り添う
園には170名の子どもたちがいますが、保育士は一人一人に寄り添うことを大切にしています。この子はどんな性格で何が得意か、誰一人同じ人間はいないからこそ一人一人の良さを認めています。また、クラスはありますが、基本的には自由。園舎のほか、龍谷寺の本堂や敷地内の花畑、野山に散策路と子どもたちが楽しめる場所がたくさんあります。この環境で育つ子どもたちは外あそびが大好き。冬は毎日マラソンで体を鍛えています。走る姿は近隣の人からも温かく見守られています。
心を育てる
日東保育園の方針として〈心の中に「仏心」を育てる〉を掲げています。親が子どもに残せるものは物ではなく、「感謝する心」。豊かな心を幼いうちから培っていくことで、自分へ、人へ…と感謝の心を育てています。その心を育てるために、朝夕と園舎入口にある子安観音さまに手をあわせ、親子で挨拶。忙しい日々を送る保護者も手をあわせることで心にゆとりが与えられます。感謝する心を育てるとともに大切としているのが〈社会のルールを身につける〉こと。自分がされて嫌なことは人にはしないことや、お釈迦さまの〈6つの教え〉を分かりやすく伝えています。日々唱えていく中で心を育て、その土台をもって小学校に進めるようにしています。
豊かな環境で育てる
敷地内では様々な野菜や果物を育て、収穫された無農薬野菜などは給食に出されます。大豆植えで取れた豆はお味噌作りから一年中のお味噌汁として、梅の木は梅もぎから梅干しに。田植えで取れたもち米はお餅に、と四季折々の楽しみが。子どもたちもその作業に関わることで苦手な野菜も克服していくそうです。お花畑ではお花を摘んでお部屋に飾ることも。一年を通して子どもたちに食の大切さや自然の中で遊ぶ楽しさが育まれます。
伝えていく思い
年長児は卒園が間近な頃、お茶室でお茶会をします。小学校からもこれまでの教えを大切にして頑張って、と伝えています。日々聞きなれた言葉も和菓子の甘さ、お抹茶の苦みやいつもと違う空間で伝えることで子どもの心に響くようにしています。そして子どもたちを見守るのは卒園してからも。双葉会という同窓会があり、毎年6月の第一土曜日には多くの卒園児が集まり、楽しいひとときを過ごします。自分が楽しかった思いを次は我が子や孫へと願い、二代、三代と通う方も多いそうです。
子どもへの愛と「話せる場所」
「一日一回は子どもをギューッと抱きしめて、『今日も一日ありがとう。』と伝えてください。そのことで自分は愛されているという実感が持てます。たくさんの言葉をかけるよりも愛が伝わります。」と成田園長は話されました。また、保護者に対しては「誰かに話を聞いてもらい、息抜きをしながら子育てをするのが大事。」を話されていました。ご自身も子育て中はいろいろな人と悩みを共有し、意見を聞けて、聞いてもらえて助かった、とも。その経験もあり、現在は保護者の助けとなるよう、園には子育て支援センターもあります。「ほっと息抜きができる場所として、いつでも来てください。」と話されていました。
成田園長が何度も言葉にされていたのが、「好き」。子どもが好きで、子どもと関わる仕事が好き。親子の笑顔を見るのも好き。そんなたくさんの「好き」の気持ちは子どもや保護者、先生たちにも伝わって、愛のあふれる温かい園となっているのでしょう。